《オーダーメイド》【ナポリ仕立て】ビスポークの【ゲームキーパーツイードジャケット】

ゲームキーパーツイードを使った一着

少し前にハリスツイードのジャケットを紹介したので,

ツイードつながりで今回はゲームキーパーツイードを使用したジャケットを紹介したいと思います.

 

ナポリ仕立てにこだわっていた時期と今

ビスポークに興味を持ち始めた当初はナポリ仕立てにこだわっていました.

「仕立服といえばナポリ」というメディアの影響が大きかったかと思います.

 

「ナポリの仕立ての特徴といえば」みたいな蘊蓄が雑誌や本に書かれており,

僕もその影響をもろに受けた一人です.

手縫いとか裾まで伸びるダーツとかゴージの高さがどうとか・・・みたいなやつね.

 

今思うと,当時の自分はかなり力が入っていたなぁと思います.

 

今は当時よりもビスポーク熱も落ち着き,ディテールなんかより,

馴染みのテーラーとの付き合い方を考えるようになりました.

もちろんカッティング・フィッティングに満足できることが大前提です.

馴染みと書きましたが,僕は仕立てる着数が少ないので上客とは到底いえません…

ただ,納期に関してはかなり寛大です(笑)

 

今回の1着はそんなディテールにこだわっている時期に仕立てた1着です.

「ディテールにこだわっている」ことが強調されていますが,

もちろんサルトの腕としては間違いない一着となっております.

 

生地の名前は忘れました

どこの生地(有名どころでした)が忘れましたが,

一目見て惚れた生地で仕立ててもらいました.

今見ても,この生地は惚れ惚れします.

ウェイトのある生地なので仕立て映えします.

仕立てが柔らかな印象なので,伝わりづらいですが,

ガシガシとツイード生地です.

正に狩猟などに適したゲームキーパーツイードの名がピッタリの生地ですね.

広めのラペルと美しいラペルロール.柄合わせも完璧ですね.

ベースのブラウンにさらに濃いブラウンの格子柄が入ります.

良く見るとオレンジのラインも入っていて,本当に洒落た生地です.

この写真だとオレンジのラインがより分かりやすいかと思います.

袖のボタンは4つ.ちょこっと触れる程度の間隔になってます.ここはお任せ!

カントリー調のカジュアルジャケットなのでパッチポケット.

縫い目の立体感の雰囲気がたまりません.手縫いならではの温もりです.

バルカポケットも立体的で着用した際に美しく体に沿うようになっています.

冬用のジャケットですが裏地はなし.

これくらいしっかりした生地であれば裏地がなくても問題ないとのこと.

何より修業したナポリのサルトがこのような仕様を得意としていたので,

それを聞くとその仕様でお任せしたくなるものです.

寧ろ裏地なしの方が仕立てるのが面倒なのに,

この仕様をすすめるなんてプロ意識を感じます.

 

フィッティングは?!

仮縫い中縫いを経て完成しているジャケットなので既製品とはフィッティングは違います.

特に腕回りとか,背中のフィッティングに違いを感じます.

僕は前腰な上に水泳をやっていた影響か,既製品ではフィッティングが悪くダメなんです.

 

ただ,肩から首にかけてのラインのフィッティングが少し甘いかなと・・・.

本当はこういうところを詰めていくのがビスポークなんですけど,

縫ってくれた方が少し手の届かないところに行かれてしまった(栄転)ので,

ここのサルトのジャケットは3着つくるだけで終わってしまいました.

ナポリ仕立てが好きな方なら誰かわかるかも?!

ちなみにこのツイードジャケットは3着中2着目のものになります.

おわりに

ビスポークに熱中していたころに仕立ててもらったツイードジャケットを紹介しました.

ディテールに凝りすぎていた当時を思い出す思い入れのある一着で,

ガシガシのツイード生地を使用していますが,

仕立ての影響もあってか着心地はすこぶる軽く,

今でも大切に着用しているツイードジャケットです.



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2 Comments

  1. テルオ

    いつも楽しく拝見しています。

    同じ昭和の生まれとして勝手ながら親近感を持っております。

    ところで貴殿のこちらの誂え服はどちらの方が製作なさったのでしょうか。

    情報に溢れたこの時代ですが、答えに至りませんでした。

    以前にタイユゥァタイの記事がありましたので、独立前のU氏かとも思い巡りましたがやはりわかりませんでした。

    差し支えなければご教示ください。

    追伸 ヴィンテージの素晴らしいコレクションももちろんですが、イタリアもののご紹介も楽しみにしております。

    • ornekarne

      はじめまして。

      コメントありがとうございます。

      こちらは現在、Sartoria Raffanielloという名で御活躍されています東氏によるものです。

      上木氏と同じく、東氏はアントニオ・パスカリエッロ氏に師事していらっしゃっいました。

      イタリアものは最近、疎くなっておりますが、機会があれば取り上げたいと思います。

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