ジャケットやスーツはビスポーク

ここ数年,ジャケットやスーツの仕立て屋さんが劇的に増えてきている気がします.

雑誌だけでなく,SNSからもその様子が伺えます.

 

そして僕の所有するスーツやジャケットは基本ビスポークです.

ビスポークに興味をもったのは10年ほど前に遡ります.

 

 

クラシコイタリアにまず興味を持ち,

イタリアのブランドの既製品ジャケットを購入したのがはじまりです.

 

当時は雑誌等の影響を受けて,

「ジャケットは〇〇が良い!」とか「〇〇のスーツが欲しい!」と

思っていました.

 

しかし,程なくして「自分自身の体にあっていない.」と思うようになりました.

 

水泳をしていたせいか肩幅が体型のわりにあって,

なおかつ猫背なので,既製品で体にあうものが無いんですよね.

余談ですが,僕の体型は仕立て屋さんにも「仕立てるのが難しい」っていわれます.

 

そして,自分の体型にあったジャケットを手に入れるべく,

ビスポークの世界へと足を踏み入れることに!

 

 

仕立て屋さんを探す!

ジャケットやスーツをビスポークするにあたってまず決めなければならないのは仕立て屋さんです.

 

今も昔も変わらないのですが,やはりイタリアへの憧れがあるので,

仕立てもイタリアに近いものが良いという思いから,

そのような仕立て屋さんを探しました.

 

 

そして,5着ほどビスポークのスーツ,ジャケットを経験したのち,

本場のイタリアのサルトに仕立ててもらいたいと思うようになりました.

 

サルトリア・セミナーラ

そして僕が選んだのはSartoria Seminaraでした.

キングカズと一緒にCMに出ていた方です.

TIE YOUR TIEでトランクショーを定期的に開いていたので,

そのトランクショーに予約を入れたことを今でもよく覚えています.

 

サルトリア・セミナーラとは

1957年にGiuseppe Seminara(ジュゼッペ・セミナーラ)氏が開業し,

現在は息子さんのGianni Seminara(ジャンニ・セミナーラ)さんが

二代目当主として運営しております.

フィレンツェのサルトリアで,

細腹にダーツが斜めに一本だけ入るフィレンツェ特有の仕立てです.

 

 

ジャンニ・セミナーラ氏と対面!

それはもうカッコいいの一言でした.

僕が初めてお会いした時はグレーのスーツを纏い,

グリーンのタイを締めておりました.

靴も赤みが強めなチゼルトゥの内羽根のブローグシューズ(IL MICIO?)で

本当に素敵でした.

 

早速,生地選びからスタートしたトランクショー.

茶系のジャケットにすることははじめから決めていました.

そして,ジャンニ氏とともに生地を選び,

ドラッパーズのカシミア混の生地に決定しました.

 

当然ですが,イタリア語は話せませんので通訳の方同席です.

 

そして,せっかくなのでこのジャケットにあうパンツも仕立ててもらうことにしました.

生地はジャンニ氏に一任し,グレーのフランネル地となりました.

 

 

次に開催されたトランクショーで仮縫いを行ってもらいました.

 

そして,それから数か月後に完成したのがこちらになります.

 

カシミアがわずかに混ざっているせいか,生地はとてもしなやかです.

よく見るとヘリンボーン地であることがわかります.

 

一般的なジャケットやスーツにみられるような縦に入るダーツはなく,

斜めにダーツが入っています.

 

これぞフィレンツェ仕立てですね.

地域によってこのように仕立て方に違いがでてくるのは本当に興味深いことです.

 

 

 

仕立ては極めて軽いです.

そして1着目にもかかわらず,完成度は無茶苦茶高かったです.

 

 

このジャケットを着て,新婚旅行の際にフィレンツェの街を歩いた時は

感慨深いものがありました.

 

 

ジャンニ氏に仕立ててもらったのはこの1着のみとなりますが,

思い出の1着です.

 

 

今は馴染みの仕立て屋さんを決めているのですが(本来そうすべきですし),

ビスポークに興味を持ち始めたときはあれこれ手をだしていましたね.

それもきっといい経験になっているかと思います.