タグは奥が深い!

ヴィンテージ古着って洋服なので着て楽しむものではあるのですが,その洋服に縫い付けられたタグだけでも楽しめるんですよね.そういう考えをお持ちの方は古着好きの方なら少なくないはず!

 

タグからわかること

タグは古着を読み解くうえで重要な手がかりとなります.

主にはタグからは洋服がつくられた年代を推測するのに役立てることができます.

例えば《ウールリッチ》を例にとりたいと思います.

上の画像は2019年12月に西の爆買い王が購入した《ウールリッチ》のウールジャケットになります.いわゆる【リアル羊タグ】になりますけど,レジスターマーク(®)ではなく,《REG.》と記載されています.ちなみにジッパータイプのジャケットで,デコタロンを搭載しています.これらを総合的に判断して1940年代のものと推測できます.

一方でこのタグは僕が所有する《ウールリッチ》のマッキーノジャケットのものになります.羊のデザインが異なりますが,これも【リアル羊タグ】です.レジスターマークが《REG.》ではなく®となっています.®と記載されるのが1950年代に入ってからとされています.

ジッパーなどの他のディテールなどから総合的に判断して1950年代のものと推定できます.

ウールリッチのノーカーラージャケットのタグをみてみましょう.これも【リアル羊タグ】ですが,羊のデザインが先の二つとまた異なります.どんだけデザインを変更しているの?って思っちゃいます.

これもレジスターマークが®なので1950年代以降のものとわかります.【リアル羊タグ】は1960年代には【リアルじゃない羊タグ】へと移行するので,このノーカラージャケットは1950年代~1960年代前半頃のものと推測できます.

このように古着のタグは年代を推定するうえで重要な手がかりになりますし,逆に年代が分からないタグを見たときに,ジッパーといったほかのディテールとあわせて考えることにより,「この年代のタグはこういうタグだった」という裏付けをとることもできます.

また,同じようなタグでも若干デザインが異なっていたりと実に奥が深いです.

 

タグからわかる一般的なこと

一般的に1930年代は使用する素材の動物がアイコンとして描かれている.

上の画像はヘラクレスのレザージャケットに付く馬が描かれたタグになります.レザージャケットのマテリアルとしてホースハイドを使用していることが一目瞭然わかります.

【ジョーマッコイ】のホースハイドを使用したカーコートのタグになりますが,こちらもホースハイドを使用していることがタグからわかります.

1930年代の古着はこういった服のマテリアルがタグに描かれていることがおおいそうです.

これは1940年代のウールのスポジャケのタグになります.1940年代頃はタグにそのウェアを使うシチュエーションがデザインされていることが多いとのこと.

 

50年代以降は前述のように®マークがつくようになります.

LEEなんかがわかりやすいですよね!

タグやピスネームに1950年代頃の【Rなし】のもの,1960年代~の【Rあり,MRなし】,1960年代終わり~の【Rあり,MRあり】みたいな感じで.

®のみ

®MRともになし

®あり,MRあり

®MRあり

本当にちょっとしたことだけど,こういうタグを見ながら古着屋をまわるのも楽しいかと.

 

僕の所有するヴィンテージ古着のタグまとめ

いろいろな古着のタグの画像を貼っておきます.

ペンドルトン(PENDLETON)

ペンドルトン.®はありませんがおおよそ1950年代のタグになります.

 

ペイデイ(PAY DAY)

®あり.1950年代頃のタグ.1960年代以降はPENNEY’SのP以外が小文字になります.

 

SEARS ROEBUCKS(シアーズ ローバックス)

TMの文字が入る刺繍タグ.多分1970年代終わり~1980年代頃.

 

CHAMPION(チャンピオン)

単色タグ.®が入っています.1970年代後半~1980年代初期.

 

後期トリコタグ.1980年代.見えにくいですがCの目の上に®あります.

PILGRIM(ピルグリム)

シアーズのプライベートブランド,ピルグリムのタグ.®あり.ディテールから総合的に判断し,1950年代~1960年代初頭くらいのものになります.

 

RUSSEL ATHLETIC(ラッセルアスレチック)

1980年代頃.®あり.プリントタグ.どのブランドにもいえることですが,1960年代以降は刺繍タグからプリントタグが主流となります.

 

MAYO SPRUCE(スプルース)

®はありませんが,1960年代のものと推定されます.

 

TOWNCRAFT(タウンクラフト)

J.C.PENNEYのプライベートブランド,タウンクラフト.1950年代.

おそらく1950年代後半~1960年代初期頃.上のタウンクラフトのもののすぐ後のものと思われます.

 

ARROW(アロー)

シャツで有名なアロー.1950年代と推定されます.

同年代頃だと思いますが,ディテールから推測するに多分こっちの方が新しいです.ということで1960年代頃ということにしておきます.

 

DEMANDER(ディマンダー)

マイナーブランドなのでわかりませんが,プリントタグなので®はないけど1960年代頃?

 

BARBOUR(バブアー)

黄タグ(イエローラベル).1960年代.黄タグは1954年から1968年頃とされていますが,スナップボタンやジッパーから推測するに,僕の個体は1950年代です.50年代だとスナップボタンが大きく,ライトニング(LIGHTNING)のジッパーを使用していることが一般的だと思います.

 

 

1980年代の2クレスト(2ワラント).

 

おわりに

長々とタグの紹介をさせていただきました.着て楽しむだけでなく,ヴィンテージ古着はタグをはじめとするディテールでも楽しむことができます.年代推定のお役に立てれば幸いです.

※年代に関しては推定なので,多少前後する可能性があります.あくまで参考程度としてお考え下さい.また,間違いのご指摘があれば記事を訂正いたしますので教えてください.