ずっと欲しかったヘラクレスのスポジャケ

アメリカを代表するストアブランド【SEARS(シアーズ)】のプライベートブランドの中で最も有名なのが【HERCULES(ヘラクレス)】ではないでしょうか?

《ヘラクレス》の歴史は古く,はじまりは1908年とされています.残念ながら1960年代半ば頃にヘラクレスブランドは消滅してしまいますが,SEARSを代表するブランドであったことには間違いありません.

そんな《ヘラクレス》のアイテムで僕がどうしても欲しかったアイテムがあります.それはホースハイドスポーツジャケットになります.

 

しかも,1940年代以前の《巨人タグ》や《馬タグ(ホースタグ)》のものという条件です.

 

まぁ,とにかく見つかりません.といっても新潟の名店【MUSHROOM(マッシュルーム)】でここ半年くらいの間に上々のコンディションのものが2着でてきていますけど.そう思うと【マッシュルーム】の買い付けレベルはすごいですよね!!

 

前置きが長くなりましたが,そんな超絶激レアな《ヘラクレス》のスポジャケが巡り巡り僕のもとへとやってきたので記事にしたいと思います.

 

年代を推定する

まずは今回のスポジャケの年代から推測していきたいと思います.年代を判別するにはディテールがカギとなってきます.

ジッパー

青錆がついているので見ずらいですが,飾がつくタイプの棒TALONになります.TALON社の前身であるHOOKLESS社は1937年頃にTALON社と名前を変えるので1937年以降のスポジャケであることがわかります.

つづいてジッパーエンドを見てみましょう.

鳩目(ハトメ)です.一般的にTALONのジッパーの場合,鳩目だと1930年代,デコタロンだと1940年代とされているので,これらのディテールからこのスポジャケは1930年代製であると推測できます.

 

タグ

通称「馬タグ」とか「ホースタグ」とよばれる馬の顔が描かれたタグになります.他にも「巨人タグ」と呼ばれるタグがついたホースハイドのスポジャケも見かけますが,タグの使い分けはわかりません.詳しい方がいらっしゃいましたら教えてください.

GENUINE FRONT QUARTER HORSEHIDE」の文字が良いですねぇ.

個人的には巨人タグより馬タグの方が好みです.

 

<参考>

《巨人タグ》

フロント

シンプルなデザインですが,オーラは半端ないです.胸にボールチェーン状のジッパーが施されたタイプのヘラクレスのスポジャケを見かけることの方が圧倒的に多いですが,こちらは胸ポケットなしのタイプです.

レザーは80年以上前のものとは思えないほどしなやかです.この上ないコンディションといえるでしょう.

もちろん首元にはチンスト.

 

バック

一目でヘラクレスとわかる生地の切り替えかと.下部にはアジャスターが付きますが,デザイン的な位置づけでしょう.バックルに凝った装飾が施されていたらもっとテンション上がったんだけどなぁ.

この切り替えデザインはヘラクレスとそれを模したであろう現行のブランドでしか見かけません.

襟の裏はコーデュロイ生地になります.

 

内側の仕様

ボディはウール地になります.

袖裏はコットンです.

ウールのライニングって虫食いがあることが多いですけど,ありませんでした.これもすごいことだと思います.

ただ多分オリジナルのライニングだと思いますが確証までは持てません.

 

サイズ感は?

36または38くらいのサイズ感で僕にジャストフィットです.アームはこの年代らしくやや太目で男らしく,むちゃくちゃカッコいいです.着画は後日アップできればと思っています.

この年代で,この状態,そしてジャストサイズ.今後であうことはまず不可能といっても過言ではないでしょう.

 

おわりに

今後このような個体に出会うことはまず不可能といえるヘラクレスのスポジャケを入手しました.まさに一生モノといってふさわしいこのスポジャケを大切にしていきたいと思います.