年代による違いはあるのか?

折角,年代違いで【Le Mont St Michel】のヴィンテージモールスキンジャケットを手に入れたので,違いがあるのか比較していきたいと思います.こんなどうでもいいような企画に今しばらくお付き合いください.

全体像

1940s ブルーモールスキンジャケット

 

1950s ブラックモールスキンジャケット

大きな違いはありませんが,ポケットの形状・大きさ,襟の形が異なります.

胸ポケット

大きさがブルーの方が一回り小さく,V字型のステッチが入ります.形状もランドしていることが分かります.カンヌキの入り方に縦と横の違いがあることも分かります.縫製をするにあたり,面倒だと思うのになぜVステッチかつ形状をラウンドさせているかは不明ですが,古い方が手間がかかっている印象があります.

 

ウエストポケット

胸ポケット同様,古い方はVステッチで形状はラウンドしています.胸ポケットと反対にウエスト部のポケットは年代が古い方が大きくなっています.カンヌキのステッチの向きが胸ポケット同様,年代によって異なっています.

 

ブルーの方が襟の開き具合が大きく,襟自体の大きさもやや大きいです.水を通すと生地が縮んで同じくらいの大きさになるかも?

襟の形状がやや異なるのでラペルがロールする位置も異なります.ただどちらもフレンチらしい形です.

襟のステッチ幅が異なっていました.古い方が幅がだいぶ小さいです.

前立ての形状も若干異なっています.

 

ボタン

ブルーの方がボタンリムが大きいです.古い方がなんとなく凝っているような気がします.

ボタン自体の大きさはブルーの方がわずかに大きいです.素材は同じだと思いますが,年代によってマイナーチェンジがあります.前立て部分の縫い方は同じですが,幅がことなります.

 

ブルーの方は裾の折り返し部位にステッチがありますが,ブラックはありません.細かい箇所ですが製造過程の小さな変更があったんでしょうか?

 

タグ

ネームタグの大きさが全然違います.そして年代が古いブルーの方は刺繍であるのに対してブラックはプリントです.やっぱり古い方が凝った作りです.サイズ表記のタグはブルーはネームタグと同じ場所に縫い付けられていますが,ブラックは襟元に縫い付けられていました.

このように年代によって違いがみられることがわかりました.正直ポケットのステッチや大きさ,襟の形くらいしかぱっと見わかるところはないと思います.ただ,Vポケだと一目で「あの人,古いの着てる!」ってわかるのでここは覚えておいて損がないディテールとなるでしょう.

 

表記サイズが違うけど大丈夫?!

お気づきの方もいらっしゃると思いますが,今回購入したブルーが表記42で,以前購入したブラックが表記46となっています.でも明らかに42の方がでかいです.縮みを考慮に入れても42の方が大きくなると思います.

この辺りは意外と適当なのかもしれません.フランス軍の服も同じサイズであっても大きさにばらつきがありますから.

なのでやはり試着がベターでしょう.

 

おわりに

フレンチヴィンテージの雄,モールスキンジャケットを年代によって違いがあるかどうか比較してみました.一目でわかる違いから微妙な違いまでありましたが,覚えておくべきことはポケットのステッチと大きさだけで良いかと思います.

 

リーバイスでいう506XXや507XXと年代的には近いアイテムになりますが,その価格は10分の1程度で,デニムと同様に経年変化を楽しめる素材なのでモールスキンのジャケットはおススメです!