簡易的リーバイス501XXの年代の見分け方
マービンズで購入したリーバイス501XXの年代を推定したいと思います.
ヴィンテージのリーバイス501XXの年代の見分け方には諸説いろいろあるため,断言できるものではありませんのであくまで参考程度にしてください.詳しく書きはじめると長文になってしまうので簡易的にいきたいと思います.また,ヴィンテージのリーバイス501XXに興味があるけどそこまで詳しくないという方向けの内容となっておりますので悪しからず.
パッチから見分ける
パッチが残存していたらそれだけでおおよその年代が推定できます.
~1954年頃 革パッチ(ただし1950年代後半まで革という説もあり)
1955年頃~1960年頃 紙パッチギャラ入り
1960年頃~1965年頃 紙パッチギャラなし
1966年頃~ ダブルネーム
一般的にはこのように考えられているかと思います.
ただ,パッチは欠損していることが多いためその他のディテールから推測しなければならないことの多々あります.
赤タブから推測する
1936年から付けられるようになったとされている赤タブ.これからもおおよその年代が推定できます.
1936年~1952年 片面タブ
誰もが憧れる片面.当初は®マークなしだが,1950年以降頃?から®が入るようになります.いつかは片面の501XXもしくは503BXXを手に入れたいです.
1953年~1960年代後半 両面タブ 均等V
片面にしか刺繍されていなかったLEVISの文字が両面に刺繍されるようになります.「V」の文字が左右線対称であるため均等Vと呼ばれます.均等Vは1966年までという説もありますが,最終の501XXでは線対称ではない不均等Vと呼ばれるものがあるため1960年代後半としました.
1960年代後半~1973年 両面タブ 不均等V
1973年頃~
大文字だった「E」が小文字「e」となります.ただし「e」でも均等V,不均等Vの両方をみたことがあるので「V」の文字にはまだ謎が多いと考えています.
フライボタンから推測する
501がボタンフライのジーンズであるのは周知の事実.一番上のボタンをトップボタン,トップボタン以外をフライボタンまたは小股ボタンといいます.そのフライボタンからも年代を推定する情報が得られます.
ちなみに今回僕が購入したものはフライボタンが3つでした.なのでパッチ欠損のため501なのか503なのかを断言することはできませんが,実寸サイズからおそらく501といえます.
501XXはW30~,503BXXは~W29なのですが,W30の501XXにもフライボタンが3つのものが存在するからです.フライボタンが2つだったら503BXXと確定できます.
今回のフライボタンは足長Rとよばれるもの
「STRAUSS」の文字に注目してください.「R」の一画目の縦線が長くなっていることがわかります.これ故「足長R」とよばれており,1955年頃~のものであると推測されます.
ベルトループ
後ろの真ん中のベルトループがセンターベルトループなのか,センターから少しずれたオフセットベルトループかでも年代の推測に役立ちます.センター→オフセット→センターの順で変化していきます.
革パッチ期の終わりころからオフセットベルトループとなり,最終501XXで再度センターベルトループに戻ります.
今回僕が購入したものはセンターから少しずれたオフセットベルトループのものになります.
革パッチのとれたセンターベルトループと紙パッチのとれた最終501XXの見分けができないじゃん!ってなるかもしれませんが,そういったときにはフロントポケット裏のリベットをみてみましょう!
紙パッチギャラ入り頃までは銅製で,それ以降はアルミ製になります.
今回のモノはアルミ製なので,ギャラなし501XXになるかと思います.よってここから1960年代~のものと推測しています.
コインポケット裏のリベットの比較
奥側が今回購入したもので,手前は僕が所有する革パッチ501ZXXです.一目瞭然ですね.ちなみに501ZXXはセンターベルトループ,銅製のコインポケット裏リベットなのでこれだけで革パッチがなくても革パッチ確定となります(∵オフセットベルトループの革パッチが存在するから).
トップボタン裏の刻印
1960年代~はアルファベット一文字(「J」とか)が多くなります.このあたりも年代判別に有用かとおもいます.ちなみに今回購入したものは無刻印でした.
フロントはXXなので,もちろんVステッチです.初期のBIG Eまではウエスト上シングルフロントVです.
ビッグEと501XXを見分けるには?
パッチが欠損してしまった501BIG Eと501XXを見分けるには隠しリベットの有無をみましょう.
501XXだったらバックポケットが縫い付けられているところにリベットが打ち込んであります.ただ,最終501XXには隠しリベットがないものも存在します.
もし隠しリベットがなかったら,閂(カンヌキ)の有無をみましょう!
カンヌキなしが501XX
カンヌキありが501BIG E
しかしこれまた隠しリベットと同様に最終501XXはカンヌキがあるモデルもあるため,隠しリベットなし・カンヌキありでパッチ欠損の場合は501 BIG Eとして扱われてしまいます.
これらの情報を駆使して,僕は501XXの年代を推定しています.それにしても年代によって同じ501XXであっても違いがあるのは本当におもしろいですね.これだから古着の世界は危険!!
番外編
501XX(左)と501ZXX(右)を眺めていたらコインポケットの大きさに違いをみつけました.年代によって型紙が違うのかなぁなんて思いながらニヤニヤしてます.
おわりに
古着屋で501XXをみた際にすぐに年代判別ができる方法を記載しました.他にも,見分け方の方法はあるので,もっと深く知りたい方は調べてみてはいかがでしょうか?