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【Vintage】《DUBBLEWARE(ダブルウェア)》のウィップコードトラウザーズ

気になる生地《ウィップコード》

そもそも《ウィップコード》とは「鞭縄」を意味します.畝状の綾織生地でその畝が鞭縄に似ていることが生地の名前の由来になります.

ウィップコードの独特な生地感は以前より気になっており,最近集め始めています.

ウィップコードは丈夫な生地で皺にもなりにくく,現代においてもコートやパンツの生地としてよく使われています.コート生地として使われていることからも想像はできますが,生地としてのウェイトはそこそこあり秋冬の生地といえるでしょう.

よってこれからの季節にはまったく適さないのですが,そういったことはお構いなく今回はヴィンテージのウィップコードのパンツに関する記事を書きたいと思います.

 

W.P.L.ナンバーからブランドを知る

アメリカの衣料ブランドのタグやフラッシャーには「W.P.L.〇〇〇〇」や「RN〇〇〇〇〇」と番号が記載されていることがあります.

《W.P.L.》とは「Wool Products Labeling」のことでアメリカ国内で毛織物製品の製造や販売を行う会社は登録することが法令で義務付けられ,WPLに続く番号は会社の登録番号を意味します.

 

リーバイスのパッチにも「WPL423」と記載されていますね!

また,「Fur Products Labeling」という法令も定められ,これは毛織物や毛皮の対象商品の製造や販売会社に割り当てられた登録番号がRNナンバーとされています.そして1959年以降はWPLとRNがRNに統一されたとされています.

 

WPL番号は記載されていると1959年以前と考えられる説もあるらしいのですが,ご覧の通り1990年代に製造されたリーバイスの紙パッチにもWPLナンバーが記載されているので,この説は誤りだと個人的には考えています.

 

それはさておき,今回紹介するウィップコードのパンツに付属する紙タグを見てみましょう.

《WPL 11597》とあります.この番号はワークウェアを手掛けていた《DUBBLEWARE(ダブルウェア)》の登録番号となります.故にこのトラウザーズは《DUBBLEWARE》が製造したものであることがわかります.

おそらく紙タグの下半分がちぎれたと考えられ,ちぎれた片割れのタグに《DUBBLEWARE》と記載されていたと思います(そういうタグを見たことがあるので).

今回はこの紙タグに記載されたWPLナンバー以外,製造メーカーを推測する手掛かりはなく,タグ付きのNOSじゃなかったらノーブランドとして扱われたんでしょうねぇ~.

こういったところもヴィンテージ古着の楽しいところです.

 

《DUBBLEWARE》について

《DUBBLEWARE》は1920年頃にアメリカ・ボストンで創業した《M.HOFFMAN &CO.INC.,》のブランドとされています.カバーオールやオーバーオール,ショップコートなどのワークウェアを手掛けており古着屋で目にする機会も多々あるブランドですね.

そんなワークウェアを手掛けていた《ダブルウェア》のウィップコードのトラウザーズはこれまで見かけたことがなく,しかもNOSときたら買うしかないでしょう.

 

深緑な一着

今回のトラウザーズは深緑カラーです.どっかの占いで僕のラッキーカラーは緑って言われたから僕にとっては縁起の良い色です.

畝状のガシガシっとした硬めの生地は触るだけでその丈夫さが良く分かります.

コットン100%のウィップコード生地はあまり気を遣うことなく着用できることでしょう.

 

全体像

1950年代~60年代ころのトラウザーズだと推測しています.

裾幅は21cm程度で割と細目.インコテックスを頻繁に穿いていた10年くらい前からしたら裾幅21cmなんて細目どころか「太っ」てなりますけど,アーミーチノなどを最近よく穿いている僕からしたら21cmは細めです.

ノータックで,裾はダブル仕上げとなっています.ウエストはジャストで丈はハーフクッションくらいのサイズ感でした.水を通して縮み過ぎたら困るな~.

 

ディテール

この年代のこの手のパンツのベルトループは細いです.なので幅のあるベルトだときついです.

ベルトループの直下にウォッチポケットがつきます.

両サイドに斜めに入る切ポケット.

バックは片玉縁の切ポケットで左側にだけボタンが付属します.

フロントはジッパー仕様です.ボタンフライだったら言うこと無しだったんですけどね~(ボタンフライの方が好きなので).

ジッパーは《CONMAR》です.

股にマチが付くタイプなのもうれしいポイントです.

この頃のパンツによくみられるスタンプ.「SANFORIZED」とあるので過度に縮まないことを祈りましょう.

 

つぎの秋冬が待ち遠しい

まだ夏すら来ていないというのに,このパンツが穿きたくて穿きたくてたまりません.はやく寒くなってくれないかなぁ~.

着画の紹介はしばらく先になると思います.

 

お財布にやさしいパンツ

この手のパンツって黒以外あまり人気がないのか,1万円台で購入することができます(黒は高い!).これなんかサイズが小さいからか税込みでアンダー15000円でしたから.

適度にドレッシーで使い勝手はよさそうなので脚光を浴びる前に買いあさっておこうと思います.

 

おわりに

《DUBBLEWARE》のヴィンテージのウィップコードのトラウザーズを紹介しました.

メジャー・マイナー問わずワークウェアブランドはいろんなアイテムを展開しているので非常に面白いです.しばらくこういったアイテムを掘り下げていきたいと思う今日この頃です.

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