抜群のコンディションといえど・・・
先日紹介した【HERCULES(ヘラクレス)】のホースハイドジャケットですが,極上コンディションといえど80年以上前の1930年代頃のもの.さすがにひび割れや銀面が剥がれた箇所が多少あります.
こうやって遠目で見ると全くダメージが分からないんですけどねぇ.袖に多少のダメージがあるので,今回は自分でできるメンテナンスについて記事にしたいと思います.
またダメージをケアするとともに,極力,新たにひび割れができたりしないように全体的にもケアもしたのであわせて記事にします.
準備するもの
今回準備したものは
・レザークリーナー
・オイル
・補修クリーム
・ブラシ
の以上4点になります.
①汚れを落とす
ブラッシングをした後に,ウエスにSaphir(サフィール)のクリーニングローションをとり,ジャケット全体に塗布します.まずはこれで古いオイルや汚れを落としていきます.
そしてこのローションは汚れを落とすと同時にレザーに栄養を与えるという優れものなんです.
②オイルを塗り込む
汚れを落としたらオイルを塗り込みます.馬の革(ホースハイド)には馬の油ということで,使用したのはMUSTANG PASTE(マスタングペースト)になります.
中止すべき点としては塗りすぎないことです.またこういうオイルが縫製に使用している糸に染み込むと劣化して糸が切れてしまうおそれがあるので,特にこういった部分には塗りすぎないように注意します.
オイルを塗り込んだら浸透するまでしばし放置.その後ブラッシングをして,余分なオイルを取り除きます.
これだけでジャケットのメンテナンスとしては十分かと思います.
が,今回の場合は銀面剥がれ/ひび割れが多少あったので,補修クリームを用いてこういった箇所が目立たないようにしました.
プロに頼むとやすりを使用するといった本格的なケアをしてくれると思うのですが,素人が手を出すとかえってダメージをより悪化させそうですし,プロに依頼するほどひどいものではなかったので自分でやってみました.
③補修クリームを塗り込む
靴の補修クリームとして有名なサフィールのものを今回は使用しました.この補修クリームのすごいところはカラーバリエーションがとにかく豊富なところで,どんな色のレザーにも対応可能であるというところです.
ただ,今回はブラックのホースハイドなので,黒色の補修クリームを準備すれば良いですけどね.
<BEFORE>
オイルを塗り込んだ後ですが,このように銀面剥がれがあります.ここに少量のRENOVATHING CREAM(リノベイティングクリーム)をウエスにとり塗り込んでいきます.そして最後に軽くブラッシングして終了です.
<AFTER>
赤マルで囲んだところが補修クリームでケアした箇所になります.艶が出ているのはご愛嬌ということで.肝心のダメージは間近で見ないとほとんどわからないくらいになりました!
他のダメージがある箇所も同様にケアしていきます.
<BEFORE>
<AFTER>
これなら素人でも簡単にできますね!!
ついでに袖口や,裾といったレザーにテンションがかかる場所もこの補修クリームでケアしました(気にならないくらい状態は良好でしたけどね).
今シーズンはこれで十分かと.これからレザージャケットのシーズンなのでワクワクします!!
おわりに
大切な洋服を長くそしてきれいに着るために日常のメンテナンスは欠かせません.手をかけてメンテをして,愛用し,次の時代(大袈裟!!)に引き継いでいきたいです.
レザージャケットのセルフメンテに役立つ生地となれば幸いです.